幼馴染はどこまでも俺様過保護

「失礼します。先日井上様のお宅にお邪魔した時に撮影したお着物の写真をお持ちしました」

おば様は「ありがとう」と言って私から写真を受け取った。

私は、コーヒーを入れますね?と言ってコーヒーを入れる。

「蒼海ちゃん、忙しいんだから私に気を遣わなくて良いのよ?」

「大丈夫です。そんなに忙しくありませんから…」

気を使ってる訳じゃない。ただ今は自分の席に戻りたく無いだけ。山下さんからの電話で隼翔がなんと返事するか心配で、仕事が手につかない。

それと隼翔がこんなにも連絡をよこさない程、私に怒っていることが怖かった。もし、あの場に居て山下さんが私に電話を変わると言って、隼翔が変わらなくて良いと拒否したらと思うと怖かった。

今より強くなって、一人で生きていくとか言っておきながらなんてザマだ、と自分でも思う。でも今はまだ怖い。

おば様にコーヒーを入れていると、付き合ってと言われ、自分にもコーヒーを入れた。

にがっ…

社長室にはコーヒーしか置いていない為コーヒーを入れたが、やっぱりコーヒーは好きじゃない。

「蒼海ちゃん?なにか困ってる事ないかしら?」

困ってる事?





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