幼馴染はどこまでも俺様過保護

お客様がお見えになり始めた頃、男性にエスコートされ澪ちゃんも到着した。澪ちゃんは所属するモデル事務所の人と一緒に出席すると言っていた。

マネージャーかな?

「本日はお越し頂き有難うございます」と、挨拶をしてご署名を頂く。

「蒼海ちゃん、お父さん達は会場かしら?」

「はい。先ほど社長と常務は、ご一緒に会場へ入られました。お客様にご挨拶されていると思います」

澪ちゃんは男性に一言二言話をすると、男性はひとり会場へ入って行った。

「蒼海ちゃん、そろそろ支度しに行こうか?」

「え?私はこのままで…」

出来るなら、作品をお披露目するだけで、miu-la-umiが私だとは隠しておきたい。

テレビ局まで来てるんだもん…

「何言ってるの?今日の主役は蒼海ちゃんなんだよ?制服姿じゃダメに決まってるでしょ!」

「今日の主役って…まさか…城之内さんがmiu-la-umi…なの?」

林さんは思いもよらない事に驚いているようだ。

あはは… 

「林さん、後はお願いね?蒼海ちゃん、ほら!時間なくなる」

澪ちゃんに引きずられるように、控室に連れて行かれる。控室に入ると鏡の前に座らせられ、澪ちゃんは私の髪をセットしてメイクを施してくれる。

これが私…

鏡に映る私は、自分で言うのも何だが、綺麗だ。

でも、やっぱり恥ずかしい…

「ねぇ澪ちゃん、私、顔出さないとダメかな?」

「ダメに決まってるでしょう!お兄ちゃんが、どれだけ今日のこの日を楽しみにしてたか」

「え?ネット販売を立ち上げる事、そんなに楽しみにしてくれていたの?」

「……その話はお兄ちゃんから聞いて?さぁ早く着替えて」

澪ちゃんにハンガーに掛けられたワンピースを渡される。





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