幼馴染はどこまでも俺様過保護
着るものは隼翔が、用意してくれると言っていた。だから、自分では用意してない。だが、澪ちゃんに渡されたものは私のものではない。
「澪ちゃん、これ私のじゃない」
澪ちゃんは「いいのいいの」と言って私の制服を脱がしにかかる。
着替えが終わると、後はこれ、と言ってアクセサリーをつけてくれる。
「澪ちゃん何してるの?!」
澪ちゃんはニコニコと微笑むだけでなにも説明してくれない。
どうして…
控室に用意された大きな鏡の中に、白いシフォンワンピースを着て、miu-la-umi… 私の作ったアクセサリーをつける…
私がいた…
「うん!蒼海ちゃん似合ってる!素敵だよ、お兄ちゃん呼ぶね?」
澪ちゃんはそう言って控室のドアを開ける。
すると澪ちゃんの出来たよと言う言葉を待っていた様に、隼翔が現れた。
なんで…
「良いじゃん」
と、言う隼翔の手には白いエナメルの靴。隼翔は跪くとそのエナメルの靴を履かせてくれる。
そして
「な…なに…何やってるの!!」
「うるせぇーなー!でかい声出さなくてもいいだろ?」
これがでかい声出さずに要られるか!!
隼翔は私に靴を履かせた後、左手薬指にダイヤの指輪を嵌めようとしたのだ。
「何やってるのかって聞いてるの!!」
「指輪を嵌めようとしただけだろ?」
「違う!!私が聞いてるのは、どうして私に指輪を嵌めるのかって聞いてるの!!」