幼馴染はどこまでも俺様過保護

「今回、ジュエリー翔のお力をお借りして、ネット販売のみとなりますが、少しでも多くの皆様にお届け出来たらと思っております。どうぞ宜しくお願いいたします」

この会場に居る人や、テレビを見てくれている人に、私の思いが少しでも届きます様に…

すると会場からひとつふたつと拍手があがり、次第に沢山の拍手へと変わった。

「蒼海、頑張ったな?ちゃんと伝わってるよ」

「うん。有難う隼翔」

正直どれだけの人に伝わったかは分らない。
でも良い。
今は、最後まで私の話に耳を傾けてくれた、それだけで…

その後、隼翔と一緒にお客様の元へ挨拶に向かった。隼翔は私を婚約者と紹介し、違和感はあるが、私は隼翔に恥をかかせない様に、婚約者として、そしてジュエリー作家miu-la-umiとして挨拶をした。

挨拶に回っている中、井上様母娘の姿を見つけた。隼翔は井上様母娘にお越し頂いた事にお礼とご挨拶をした。そして私もご挨拶をする。

「井上様、先日はとても美味しいお料理を堪能させて頂き、有難う御座いました」

すると井上様から思いもよらない言葉を頂いた。

「城之内さん、いえ、アクセサリー作家miu-la-umiさん、素敵な髪飾りを有難う御座いました」

そして娘さんから「私の宝物です。大切に使わせて頂きます」

とても嬉しくて、目頭が熱くなる。

「蒼海、化粧が崩れるぞ?」と隼翔は私の溢れる涙をそっとハンカチで拭ってくれた。

お幸せにね、と、言う井上様に私は有難うございますと自然にお礼を言っていた。





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