幼馴染はどこまでも俺様過保護
家族
その夜、桜小路家ではお祝いをして貰い、今後どうするかを話しあった。
「蒼海ちゃんはどうしたい?」
おじ様は結婚したら住む所をどうするかと聞いているのだ。
私はもともと一人で生きていこうと思っていたんだから、隼翔となら何処でも良い。
「親父、俺、家を出ようと思う。澪が居るし別に良いだろ?」
え?
「えっ!お兄ちゃんちょっと待ってよ!お兄ちゃんは桜小路家の跡取りだよ!」
「別に長男じゃなきゃ跡を継いでは駄目だということはないだろ?母さんだって澪が側に居たほうが良いだろうし」
「私はお父さんと… 桜小路家と血が繋がっていないから…」
「馬鹿か!澪は親父の娘で、俺の可愛い妹だ!何を遠慮するんだ?!澪もモデルの仕事があるからな、会社は暫く俺がやって行く。澪が結婚したらその時、相手に会社を引き渡すよ」
「ジョーダンじゃない!!そんなこと言ったら、私の結婚相手はお兄ちゃんに決められちゃう!そんな事やだからね!!」
「何言ってる!お前には幸せになってもらわないと」
ああ、また始まったよ…
隼翔の兄バカ。
「はぁ?!何言ってるの?お兄ちゃん、忘れたの?私と約束したよね!誓約書までサインしたじゃん!私の男性関係に口出ししないって!」
「バーカ!あれは無効だ!誓約書には印(はん)を押してないからな!お前は詰めが甘いんだよ!」
「もうームカつく!!絶対仕返ししてやる!蒼海ちゃん、お兄ちゃんとの結婚考え直したほうがいいよ!こんなバカな俺様よりもっと良い男居るからね!」
「蒼海は俺が幸せにするんだ!」
このふたりは本当に仲がいい。血は繋がってなくても、本当の兄妹で家族なんだ。おじ様もおば様も嬉しそうに見ている。