恐怖ダイエット
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あたしは市内の公立高校に通う一年生。
はっきり言って太ってる。
あたしには「ほたる」っていうかわいらしい本名がある。
でも、陰ではみんなに「ブタルちゃん」って呼ばれている。「豚」と「樽」を合わせたあだ名だ。
友だちはいない。
たまに清水さんが声をかけてくれる程度。
太っているせいで、ふたつ下の弟にまでこんなことを言われる。
――恥ずかしいから、外でおれに近づくなよな。
とっても悲しい。
やせようとして、いろいろダイエットしてみたけど、どれもダメだった。
ちょっぴり体重が減っても、すぐに元に戻ってしまう。
クラスに今岡くんていう、かっこいい男の子がいる。
玉砕覚悟で告白したいけど、清水さんに鼻で笑われてしまった。
――あんた、人の迷惑、考えなさいよ。
きついことを言われたけど、そのあと、ちゃんとフォローしてくれた。
――あたしの従妹にやっぱり太ったのがいてさ、このあいだダイエットに成功したんだ。あんたも、それ、やってみる?
それは恐怖ダイエットという方法だった。