恐怖ダイエット

でも、清水さんの持ったLEDライトの灯りが、どんどん遠くなる。草の陰にかくれて、見えなくなっていく。


「清水さーん、待ってぇ」

「ほらほら、ぐずぐずしないで。あたしはここよ」

「待ってったらぁ」


ザザッ。

ザザッ。

あたしは必死に茅をかきわける。

でも、あたしのLEDライトが照らすのは、目の前の茅ばかり。


「清水さーん」







「あたしはここよぉ。早くしなさいよぉ」





 
あはははは……。







 遠くで清水さんの笑う声が聞こえたような気がした。


「あっ」


突然、茅の群れがとだえた。






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