恐怖ダイエット

あたしはギャッと叫んで、逃げ出そうとした。

右の足首をつかまれた。

あたしは転んだ。


「いやあああっ」


ライトで足元を照らした。

ふたつの白い手袋が、しっかりとあたしの足首をつかんでいる。


「いやっ、いやっ」


左足で手袋を蹴る。

手袋は離れない。

それどころか、白い手袋がもうふたつ現れて、左足までつかまれてしまった。

両足首をつかまれて、引きずっていかれる。


ベチャッ。


顔を両側から冷たいぐにゃぐにゃしたもので挟まれた。

払いのけようとした手にも――。


ベチャッ。

ベチャッ。


冷たいものがまとわりつく。


「いやああ、助けてぇええ」


叫び声をあげ……。

あたしは気が遠くなった。













< 6 / 10 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop