恐怖ダイエット
あたしはギャッと叫んで、逃げ出そうとした。
右の足首をつかまれた。
あたしは転んだ。
「いやあああっ」
ライトで足元を照らした。
ふたつの白い手袋が、しっかりとあたしの足首をつかんでいる。
「いやっ、いやっ」
左足で手袋を蹴る。
手袋は離れない。
それどころか、白い手袋がもうふたつ現れて、左足までつかまれてしまった。
両足首をつかまれて、引きずっていかれる。
ベチャッ。
顔を両側から冷たいぐにゃぐにゃしたもので挟まれた。
払いのけようとした手にも――。
ベチャッ。
ベチャッ。
冷たいものがまとわりつく。
「いやああ、助けてぇええ」
叫び声をあげ……。
あたしは気が遠くなった。