鷹なし、ことり。






〜~〜~〜~〜~

【ことりside】


「いやぁ電柱に顔ぶつけたのは本当に笑ったね~
実に愉快!はっはっは!ねえ今どんな気持ち?ねえね」

タカの無様な姿が見れてご機嫌な私を奴は容赦なくひっぱたいた。
ぐええ痛い!!


「ぶっ殺すぞ」



「その前にクレープ奢ってね」

「はぁ!?あれはノーカンだろ!あのまま行けば俺が勝ってた!
大体お前はそんな卑怯な手を使って勝っても嬉しいのかよ!?」

まるで番犬の如く吠えてるけど
登校初日で注目浴びるのは避けたいよね


ほら、周りみんなこっち見てるよ…タカの顔が無駄に整ってるってのもあるかもだけどね。やっぱり気に入らん!

どうせあんなカッコイイ人の隣になんであんな不細工が?とか思ってんだろ
私だって知りたいわ


「いーや。あれは正攻法だね。男と女って時点で私が不利なんだから少しくらいハンデがあってもいいじゃない」


「お前俺と100m差つけて先にスタートしただろ!ハンデとしては充分だろ!」


「あーうるさいうるさい。毎日サッカーの練習でお疲れのタカくんにご褒美あげようと思ったんだよ。
知ってるんだよタカが中学で部活引退してから毎日夜6時半から自室でリフティングの練習してるの」

すると奴の顔は見る見るうちに赤く染まっていく。タコかよ。


「おま、なんでそれを…!!!」


「はいはい。クラス見に行くよ、タコ」


「誰がタコじゃボケ!」


こうして私は、少しの不安と期待をのせて教室へと向かった


< 6 / 6 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop