下町コインランドリー




都会で働きたい!その一心で進路を決めて、高校のときにコツコツ貯めたお金で、一人暮らしをする家を決めて




半年前、いざ一人暮らしが始まった時に自分が家事なんて全くできないことに気がつきました。




それでもこの半年で、料理は焦がさないようになったし、なにもひっくり返すことなく掃除が出来るようになったのですが





「洗濯ってなんでこんなに難しいの~!!!」




洗濯だけは、全く進歩しません。



本日はこれから迎える冬に着るニットを洗ったのですが、取り出してみると不思議なことに小さくなっていたのです。





「もう!なんで言うこと聞かないのよ!」




少しだけ洗濯機さんに八つ当たり。



ガンっと一発蹴りをお見舞いしました。





ピーピーピーピー



そして、洗濯機さんはピーピーピーピーと泣いています。




「ふん!これに懲りたら次からはちゃんとしてよね!!!!って、え?」





ピーピーピーピーという音は止まる気配がありません。





「え!?壊れた!?蹴ってごめんなさい!機嫌直して!!!!!!!」




すがるように洗濯機さんにお願いすると、音は止まりました。




「よかったーーーーー。貯金ももうすぐなくなるし、次の給料は先だし、今壊れられると困るんだよー」





念のため、スタートボタンを押してみます。





「あ、あれ?あれれ????」





洗濯機さんは相当機嫌を損ねてしまったようです。




冬眠してしまったかのように、ピタリと動かなくなりました。












< 2 / 10 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop