下町コインランドリー
次の日。
仕事から帰って、コインランドリーに行こうと部屋から外を見ると、コインランドリーへ向かって歩いているおじさんの姿が見えました。
私はバタバタと洗濯物を用意して、家を出ます。
「おじさん!」
コインランドリーについて声をかけると、おじさんはタバコを吸っていました。
「おじさんって……お嬢さん、俺はまだ29だよ」
おじさんは苦笑いして、まだ長いタバコを消します。
「そしたら私だってもう19だからお嬢さんなんて呼ばれたくないし」
「うわ!若いなとは思ってたけど、まだ10代かよ!!!じゃあ、おじさんでもしゃーないな!」
そう言ったおじさんと目があって、二人でふふふと笑いました。
「じゃあ、平等に名前で呼びあおうか。」
「そうですね!私は鈴村千秋!です!」
私の名前を聞いた少し驚き、うーんと悩んでから、じゃあ鈴だな、と言いました。
私は人生で初めてつけられたあだ名にドキドキしました。
「おじさんの名前は?」
「あ、俺?俺は高村。下の名前好きじゃないから、高村って呼んで」
少し照れてそう言った高村さん。
私はそれを不思議に思いながら、頷きました。