下町コインランドリー





次の日。



仕事から帰って、コインランドリーに行こうと部屋から外を見ると、コインランドリーへ向かって歩いているおじさんの姿が見えました。




私はバタバタと洗濯物を用意して、家を出ます。





「おじさん!」




コインランドリーについて声をかけると、おじさんはタバコを吸っていました。




「おじさんって……お嬢さん、俺はまだ29だよ」



おじさんは苦笑いして、まだ長いタバコを消します。




「そしたら私だってもう19だからお嬢さんなんて呼ばれたくないし」




「うわ!若いなとは思ってたけど、まだ10代かよ!!!じゃあ、おじさんでもしゃーないな!」





そう言ったおじさんと目があって、二人でふふふと笑いました。




「じゃあ、平等に名前で呼びあおうか。」




「そうですね!私は鈴村千秋!です!」




私の名前を聞いた少し驚き、うーんと悩んでから、じゃあ鈴だな、と言いました。




私は人生で初めてつけられたあだ名にドキドキしました。





「おじさんの名前は?」





「あ、俺?俺は高村。下の名前好きじゃないから、高村って呼んで」



少し照れてそう言った高村さん。



私はそれを不思議に思いながら、頷きました。


















< 5 / 10 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop