ワケありオンナとワケあり男子の共同生活


いつもの少し茶色くてふわふわな髪は濡れてペタンとしている。カオルにいつも貸しているジャージを着て……いや、カオルにたまに貸していたあきくんのジャージを着て、肩にはタオルがかかっている。

そのジャージを見てもチクリと少し胸が痛んだ、カオルを思い出して。わたしはいつもあきくんにコソコソ隠れてカオルをこの部屋に入れている。

今日だってそう。あきくんが準備してくれたのにわたしの誕生日も知らないセフレと一緒に過ごした。

これでバランスを取っているのに罪悪感が襲ってくる。多分、それだけあきくんの存在がわたしの中で大きいということかもしれない。

わたしはそれだけあきくんに癒されてきたんだ。

「あきくん、ごめん。ごめんなさい」

タオルで髪を拭いていたあきくんの手が止まる。

「え?あゆさん、どうしたの?」

ポロポロと我慢していた涙が頬を伝って落ちていった。慌てて手のひらで頬を伝った涙を拭いても次々と溢れてくる。

どうしよう、止まらない。


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