ワケありオンナとワケあり男子の共同生活
あきくんスマイル全開で楽しそうに話す彼の表情を見て、胸が温かくなる感覚。少年を見ているような気持ちになる。
「うん、そうだね。主人公ももちろんかっこよかったけど、ヒロイン役もいい味出てたよね」
「そうそう!そこでそうくるかーって感じだった」
わたしたちの会話を遮るように、白生地に緑色のストライプのシャツの制服を着た店員が「失礼します」と言い、テーブルに近付いて立ち止まった。
「オムライスでございます」
両手にある2つの白い皿わたしとあきくんの前にそれぞれ置かれた。ケチャップライスの上に綺麗に包まれた玉子がのっており、その上にはケチャップがかかっている。
店員がどこかに行った後、あきくんがスプーンを渡してくれた。スプーンの先で玉子を割るとケチャップライスが黄色いふわふわなものに包まれた。
「美味しそうだね」
そう言った自分の唇の両端が上がったのが分かった。
「これ美味しいよ。玉子ふわふわだよ」
わたしより先にふわふわ玉子を口に入れたあきくんはスプーンの先でオムライスを指す。