ワケありオンナとワケあり男子の共同生活
休憩中なのか、返信はまたすぐ返ってきた。
《ほとんど何も言わずに会わなくなったからね。明日休みだから少し時間作れると思うよ》
メッセージを見て、胸の鼓動が早くなったのが自分でも分かった。
明日?待って待って。自分から聞いておいて言うのもあれだけど、明日って早すぎない?
「良かったね、早く心の整理ができるよ」
あきくんは横でニコッと笑った。彼の表情とは逆にわたしの顔はきっと引きつっていると思う。
「急だから緊張するよね」
やっぱりバレている。あきくんにはもう隠せるもの、隠していることは何もない。
「あきくん、わたしこわい」
素直な言葉が口から零れた。あきくんにはなんでも話してしまう。
「大丈夫、おれがいるから。相手に見られるのが気まずいなら物陰に隠れている。おれは絶対にあゆさんの味方だから」
スマホを持つ手にあきくんの手が重なった。はじめて触れた時から変わらないポカポカの手。
不安すら溶かしてくれそうな暖かい手。