ワケありオンナとワケあり男子の共同生活


わたしに幻滅したから?

「おれ、前のバイト先の女の子からずっと言い寄られていて。昨日その子の家に泊まったんだ」

昨日は実家にいたんじゃないの?このシャンプーの香りはその子の家のシャンプーなの?

「それで、その子としたんだ、セックス」

──何なんだろ、この感情。

勝手にあきくんに触れているのはわたしだけ、わたしだけのものって思っていた。相手の女の子の顔は分からないけど、彼女がすごい嫌な存在に思える。

嫉妬……そう、これは嫉妬だ。

「今までなんであんなに悩んでいたんだろうってくらいアッサリできた。ちゃんと最後まで出来た」

いつも終わった後にわたしを抱きしめてくれるように、その女の子を抱きしめたのだろうか。彼から求めたのだろうか。想像すればするほど胸が痛い。

本当にわたしは勝手だ。自分は他の男に抱かれていたのに。いざ、あきくんがそうなると嫉妬で狂いそうになる。

「もうおれは大丈夫。あゆさん以外の人とも出来るようになった、前に進めたよ。あゆさんも不倫相手の人と終わらすこと出来たし。それに親にも迷惑だから早く家を出ろって言われてたから」


< 171 / 181 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop