ワケありオンナとワケあり男子の共同生活


好きな人に、自分以外の女の子供がいるとなったら心が乱れてしまいそう。

わたしだって、子供は欲しい、産みたい。

今のわたしなら、もし妊娠しても、相手の男が誰であっても、産む。

と言っても、子供が欲しくてセックスしてるわけじゃないから、避妊はちゃんとしている。避妊具をカバンの中にいつも入れて持ち歩いている。

子供が出来てしまったらの話。


乱れた髪をかけあげながら、脱いだ服を取り、身につけていく。

明日も講習があるから早く帰らないと。

換気扇を回しながら、流し台の前でタバコを吸っていても、わたしがいるこの部屋まで少しタバコの臭いがする。

ヒデキさんは短くなったタバコの先を潰し、わたしがいる部屋に来る。

「シャワー浴びる?」

「大丈夫です。もう帰るから家に帰ってお風呂入ります」

机の上散らかったツマミの空き袋や空き缶をゴミ袋に入れ、片付ける。

ヒデキさんはいつの間にか脱いだ服をまた着ていた。

片付け終わり、自分の荷物を持って玄関に向かう。

「また大丈夫な時に連絡しますね」

そう言い、彼に手を振って外に出た。

ヒデキさんの家に来る時は、彼もお酒を飲んでいるから帰りは1人で歩いて駅に向かう。

ヒデキさんの家の最寄り駅はわたしの最寄り駅から2駅。講習先とは反対方向だ。

外はやっぱり少し寒い。空を見上げると星がいくつか見える。

ふーっとため息が出る。


わたしは新しいスタートを切れているのだろうか、こんな生活をして──。








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