ワケありオンナとワケあり男子の共同生活


あれ、わたし講習で言わなかったっけ?

わたしがあきくんの年齢覚えてるだけか。

「今は20歳だよ。来月の5日に21歳になる」

社会人になってから今日という日まであっという間だった。1ヵ月が給料日を中心にまわってる。

繁忙期とかは特にあっという間だった。年末年始もずっと仕事で年越しを実感する暇もなかった。

「そっか。あゆさんはおれの2つ上なんだね」

「そうよ」

18歳の頃、わたしは今よりずっとずっと純粋だった。今はこんなにひねくれてしまったけれども。

「おれを泊めてくれてありがとう。あゆさんとね、こうして話すの楽しくて好きだよ。美味しそうに料理を食べてくれるのも嬉しい」

あきくんはサラリとこういうのが言えるのがすごい。本当に3年も彼女がいないんだろうか?

「あきくんって女の人が苦手とかじゃないよね?」

どう考えても、女の子慣れしてなくて彼女が出来ないという感じではない。

「苦手とかじゃないよ。彼女いなくても好きな人がいたこともあったし、告白されたこともあった」


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