ワケありオンナとワケあり男子の共同生活
隠し事
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あきくんと一緒に桜を見に行ってから1週間くらい経った。
今日は講習の日。もちろんあきくんと一緒に講習の会場に行く。
電車の中にいるわたしとあきくん。つり革につかまって、めまぐるしく変わる外の景色をボーッと見つめる。
たった今、線路沿いにあるわたしの家がすごいスピードで目の前を通り過ぎた。
「なんかこう、自分が住んでいる家がこうして電車から見えたら嬉しいな」
隣にいるあきくんが言う。
「その気持ち、ちょっと分かるかも」
つい、この辺でわたしの家が見えるって思って外の景色に集中してしまうもん。
「最初あゆさんちに泊まった時、電車の音が気になってなかなか寝れなかったんだけど、今は少し慣れたからあまり音が気にならなくなってきた」
「分かる、わたしもそうだったもん。今は逆に意識しないと電車の音分からないもん」
あきくんの砕けた話し方も慣れてきた。前より少し仲良くなれている気がする。
やっぱり下心は全く見えなくて、そんなあきくんと過ごす毎日は悪いものではない。