ワケありオンナとワケあり男子の共同生活
あきくんと一緒に講習先に着き、いつも通り隣の席で座学を受け、実技練習はペアになって練習した。
午前の講習を終えて昼休憩。
座学を受ける席に座って昼食を食べる。
長机の上にあきくんが作ってくれたサンドイッチをカバンから出す。あきくんも同じものを出す。
「あれ、菊池さんと相澤くん同じもの食べてるね。しかもそれコンビニとかで買ったものじゃなくて手作りだよね?」
前の席の佐々木さんが振り向いて話しかけてきた。50歳の女性、この講習参加者の中では最年長。
わたしの親と年齢が近いのもあって、お母さんみたいな存在。佐々木さんも娘みたいな感じなのか、わたしやあきくんにお菓子をくれたりする。
「もしかして2人、付き合ってるの?」
わたしとあきくんを交互に見て言う。
「付き合ってないですよ」
わたしが口を開く前にあきくんが言う。
流石あきくん。若いだけあって反応が早い。
わたしは机の上に出したハムとレタスが挟まったサンドイッチを口に入れた。