ワケありオンナとワケあり男子の共同生活


走り始めから10分くらい経ったころ、窓の景色に目を奪われた。

「思ったより早く着いたね。綺麗でしょ」

車は走ったまま停まる気配はない。それはそうだドライブなのだから。

道路側の桜の木の間にはスポットライトがあり、桜がライトアップされている。川の水面に光が反射してキラキラしてとても綺麗。

「綺麗ですね」

車で10分ほどなのに、こんな場所があるの知らなかった。車を持っていないのもあるんだけれども。

出来たら車を停めて、車から降りてゆっくりと見たい。この前あきくんと一緒に花見をしたように。

でも、それはなんとなく言えない。本来はセックスでしか繋がっていない相手だから。

セフレなのにこんな風に桜を見に行く事自体、少し変わってる気がする。

桜が見える道を走っていたけど、やっぱり車で走っているからあっという間に終わってしまった。

「あー、終わっちゃったね。あゆ、ご飯食べてからホテルに行こうか」

「はい」

とても素敵な桜だった。綺麗さで言うと今回の方が綺麗。だけど、癒されたのはこの前のあきくんとの花見だ。


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