rabbit vanira
「え…?」


腕を引っ張られる。


「羽咲ちゃん。」


そこには長い髪を一つに縛ったラフな服装


の男の人。


でも、背が高い。


「はぁい♪羽咲ちゃん。」


「…その声は、優さん?」


「そうよぉ。」


「どうしてここに…?」


「たまたま通りかかったの。でも…」


優さんは須藤さんの方を睨む。


「なんで、あなたがいるの?」


「ああ。白樺か。久しぶり。」


「久しぶりじゃないわよ。なんで羽咲ちゃん


と一緒にいるの?須藤。」


「いちゃ悪い?」


「とりあえず、この子はあたしが引き取るか


ら。」


「…今日はお別れかな。羽咲ちゃん。」


「…」


「行きましょう。羽咲ちゃん。」


優さんは私の腕を引き歩き出す。


すると後ろから声がする。


「羽咲ちゃん!また来るから!その時に返事


が欲しい!僕が君の隣にいていいか。」


「…」


声が出ない。


「振り向いちゃだめよ。」


優さんは私の手を引きさらに早く歩く。
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