rabbit vanira
「単刀直入に聞くわ。須藤とはどうやって出


会ったの?」


「学校の帰りに…道案内をしました。その時


に…」


「そう…何かされた?」


「…」


「お願い。正直に言って。」


優さんは真剣な表情で見つめてくる。


「…キス、されました。」


「…」


「いきなりだったんで、拒めなくって…」


涙がでる。


「…ありがとう。正直に話してくれて。」


「いえ…」


「この事、南は?」


「知りません…」


「わかった。そのまま言わないでおいて。」


「はい…」


「そんなに気負いしないで。あたしがどうに


かするから。」


「あ、ありがとう、ござい、ます…」


「うん。さぁ帰りましょ。あたしが送って、


あげる。」


「はい…」


私はどうしてこんなにも無力なんだろう。


どうして、宇佐木さんを守れないんだろ


う。


あたしに、もっと力があれば…
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