rabbit vanira
「あ、愛菜。」


「また倒れたって聞いて、心配で…」


「大丈夫だよ。宇佐木さんが運んでくれた


の。」


「そうなんだ…」


少し愛菜は驚いていた。


「ありがとうございます。宇佐木さん。」


「いや、大丈夫。じゃ、俺はこれで。」


「あ、あの!」


私は思わず呼び止める。


宇佐木さんは、振り返る。


「いや…何でもないです…」


「そう。」


なぜだろう。


一瞬、宇佐木さんがお兄ちゃんに見えた。
< 23 / 175 >

この作品をシェア

pagetop