rabbit vanira
窓から光が差す。


朝が来たようだ。


重い身体を起こす。


「…よしっ!」


急いで身支度をする。


「あら、羽咲ちゃん。急いでるの?」


「うん、ちょっとね~!」


髪を高めのポニーテールにする。


「いってきまーす!」


「いってらっしゃい。気をつけてねぇ」


おばあちゃんが居間から言う。


「はーい。」


ラビがお見送りに来る。


私はしゃがみこんで、ラビの頭を撫でなが


ら言う。

「頑張ってくるね。」


ラビは、私の問いかけに答えるかのように


私の手に擦り寄ってきた。


6月の風がふく。
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