rabbit vanira
お店の前まで来る。お店の外にも列ができ


ている。


やっぱり、外に漏れる香りでさえ私には毒


のようだ。


「大丈夫?羽咲。ふらふらしてるよ?」


「大丈夫…」


でも、ガラスのショーウィンドウ越しに接


客している宇佐木さんにを見て、なぜだか


涙が出そうになる。


「やっぱり、似てるなぁ…」


「んー。顔とかそういう意味じゃないよ


ね?」


「雰囲気が…っていうか、まとってる空気が


っていうか…」


「そうかもね…」


私はなんでこんなにも甘いものがダメなん


だろう。


あの日から。


全てが変わってしまったんだ…
< 32 / 175 >

この作品をシェア

pagetop