rabbit vanira
「会いたい、人…」


「うん。」


脳裏によぎったのは、お兄ちゃん。


でも、こんなこと話せるわけがない。


「…いま、せん…」


「そっか。」


多分この時、宇佐木さんは、私が誰かのこ


とを思い浮かべたことはわかっただろう。


でも、深く追求してこなかった。


「じゃあ、そろそろ行くね。」


「はい。」

「ここにコーヒー置いてくね。ブラックだけ


ど飲める?」


「はい、ブラックしか飲めません。」


「だと思った。置いとくね。」


そう言って、行ってしまった。


どうしよう。


不覚にも、少しときめいてしまった…
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