rabbit vanira
「右の上半身が麻痺しています。リハビリ


で動かすことは可能ですが、ものを持つま


で回復するかどうか…かなり神経を損傷して


いるので…」


お兄ちゃんは、一命を取り留めた。


しかし、


「お菓子作りは、厳しいでしょう。」


パティシエを目指し、パリに留学するはず


だったお兄ちゃんにとって最悪の知らせ


だった。


「羽咲…?」


「ごめんなさい…」


「なんで?なんで羽咲が謝るの?」


「だって、私のせいで…お兄ちゃん、お菓子


作りができないって…」


「いいよ。命はある。羽咲も守れた。やりた


いことはまた探せばいい。大丈夫だよ。心


配する事なんて何も無いよ?」


「ごめん、なさい…」


「大丈夫だって。」


そう笑って話すお兄ちゃん。


「ほら、笑って。」


「う、ん。」
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