rabbit vanira
その日から父さんは父さんじゃなくなっ


た。


「痛いよっ!やめて!父さんっ!」


「うるせぇっ!」


毎日のように殴られる。


俺の体はアザだらけだった。


そしていつも…


「…レオン…?なんでそんなにアザだらけなん


だ…?」


「父さん…」


「誰かにいじめられたのか!?」


「…うんん。違うよ。」


「じゃあ、何があったんだ!」


「…転んだんだよ。」


「そう、か…いじめられているなら、ちゃん


というんだぞ。」


「うん…」


父さんは二重人格、俺を殴っている時の記


憶がなく、殴り終わるといつもの父さんに


戻る。そんな感じだった。


でも、俺は父さんのそばを離れなかった。


なぜなら、母さんをなくした父さんには、


もう俺しかいないから…
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