rabbit vanira
私は歩き出す。


足が竦む。うまく歩けない。


涙も止まらない。


「うぁ…うっ…う…」


とりあえず歩く。足の赴くまま歩くと…


「羽咲…!?」


「宇佐木、さん…っ」


いつの間にか宇佐木さんのお店の前に来て


いた。


宇佐木さんは驚いたように目を見張る。


「なんでそんなにずぶ濡れなの!?」


「宇佐木さん…」


「傘は!?どうしたの?愛菜ちゃんは?て



か、なんで泣いてるの…うぉっ!」


私は宇佐木さんに抱きつく。


「ごめん、なさい…生きててごめんなさい…」


「何言ってるの…?」


いきなり体の力が抜ける。


宇佐木さんに抱き抱えられる形になる。


「ちょっ!羽咲!羽咲!大丈夫っ!?」
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