rabbit vanira
「え…?」


「…」


「どうして?」


私は大きく息を吸い込む。


「もう、無理なんです。宇佐木さんの香りも


雰囲気も優しさも。飽きたんです。」



「何言ってるの?」



「だから、別れたいんです!」


そういいながら涙が溢れる。


違う。そんな事、思ってない。


「羽咲…?」



「もう…わかりませんか…?私は宇佐木さんが


嫌いです!もう好きじゃないんです!」


言ってしまった。


宇佐木さんもさすがに驚いている。


「二度と会いません。…失礼します。」


私は1人でゲートへ走った。


涙が止まらない。


本当は一緒にいたかった。


本当は香りも好きだった。


くれる優しさも、大人っぽい雰囲気も


全部全部好きだった。


離れたくない。


でも。


私が我慢するだけで、幸せになれるなら。


私は、自分を犠牲にする。


ありがとう。宇佐木さん。






















大好きでした───────
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