rabbit vanira
「宇佐木さん!お待たせしました!」


「うん。行こっか」


宇佐木さんは私の手を取り歩き出す。


大きな手が私の手を包み込む。


ドキドキする。


でも、そのドキドキが嫌じゃない。


心地よくって、胸の奥がキュンとする。


私たちはお店を見て回ったり、


ご飯を食べたり。


その間もずっと手を握っていてくれる。


「ねぇ、羽咲。」


「なんですか?」


「目瞑って。」


「え…?」


「早く!」


「は、はいっ!」


私は慌てて目を瞑る。


すると首元に金属の冷たさを感じた。


首元を見ると…


「ネックレス…?」


「うん。俺とついになってる。」


ハートの半分みたいな形。


2つくっつけるとハートになる。


涙が出る。


「嬉し…っ」


「泣かないでよ。俺、笑ってる羽咲が好きな


んだけど。」


「ん、ん。」


私は思いっきり笑う。


可愛く笑えてないかもしれない。


でも、嬉しすぎて泣き笑いになる。


「…その笑顔、反則だよ」


グイッと引き寄せられて抱きしめられる。


そして、キスされる。


ようやく唇が重なる。


甘くとろけそうな香り。


「ごめん…」


「なんで謝るんです…?」


「初めてのキスはもっと慎重にしたかったの


に…」


私は背伸びをしてもう一度キスする。


「じゃあ、これでおあいこです。」


「だから、そういうのが反則だって。」


私たちは笑いあった。


幸せすぎ…
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