隣の部屋にフランス人


店内は和スタイルで、
ルイ王子は満面の笑みだ。

他のお客さんの視線を無条件に集めているけど…ね。


「こちらメニューでございます。
お決まりの頃、また伺います」

店員が置いていったメニューを
王子がパラパラとめくった。

うわゎ…ルイの指きれい…長…細…

自分のを見てみる。

あぁ。

あぁ、うん。


小さいハムみたいに見えるわー!

王子を見ると、自分がますます醜いモンスターに
見えてしまう。

こんな醜い生き物が、
キラキラプリンスの横を歩く資格があるのかね?


いかん。
女磨きせねば!


「リリー、聞いてるか?」

「ごめん、何?」

「俺これがいい」

「とんかつ定食ね?
じゃあ、私も同じのにしよっと」

「リリーも同じのか?」

「うん」

「いいな!」

急に嬉しそうに微笑む王子。

な、何だ!?私と同じで何が嬉しい?
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