隣の部屋にフランス人
*
「莉々ー、こっちこっち」
待ち合わせのカフェに着くと、
るみはもう着いていた。
「うわ、ひっさしぶりだね」
「莉々、変わんないな、ははは」
るみめ…相変わらず美人でかわいいな。
るみなら、王子の横に並んでも
見劣りしないんだろうけど…
「で?どしたの?」
「いやー、そろそろ女磨きでもしようかなーっと…」
「莉々が?」
そうだよ!私がだよ!
今まで一般の男性に興味がなかったから
女としても残念な感じになってた私が!
「何ー?恋とか?」
「ち、違うちがーう!」
「怪しー」
「違うって、今王子が隣の部屋に住んでて、
同居人がこんな醜いやつだと失礼かなって…」
「ちょっと、何の話?」
あ、そうだ。るみには言ってなかったんだ。
ルイ王子のこと説明しなきゃね。
「ってわけ…」
「何それ、すごー!
漫画じゃん」
そう、すごいんだよ。
「とにかく、同居人にふさわしい
女になりたいわけ。分かる?」
「分かったよ。じゃあ、まず、
服装と髪型から変えてみよう!任せなさーい」