隣の部屋にフランス人


「…あー!危ない!」

どうやら侍がピンチらしい。
王子は私の話が聞こえないのかね?

「うわ!さすがな!
で、何て言った?リリー」

「だから、彼女いるのって」

早く答えてよ…
こんなにどきどきしてるのやだよ。

変だよ私!何も恥ずかしいことしてないのにこんなにどきどき…

「彼女はいない。
リリーも見て!彼は今すごい動き方!」

いない?

本当に?いないの?

ちょっとー!何なの?すごく嬉しいんだけど!

「でも、前カフェで、かわいい子とくっ付いてたじゃん?」

「誰のこと?」

「ほら、美人の女の子の腰に、手まわしてた…」

あれを見て以来、
ずっとそのことが気になってたんだよね。

何て言うか…信じたくないって感じで。

「えー?忘れたな」

王子は私が真剣に話してるのにやっと気づいて
動画を一時停止した。

やっと空気読んでくれたよ。
王子もやればできる!

「ブロンドの髪の毛長い子だよ」

「あー、Amy?」

「そ、そうかな…」
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