隣の部屋にフランス人
「とにかく、ダメなものはダメ」
「リリー、お願い」
「私じゃなくて、総理大臣にでも言って」
「えーー…」
「えーじゃないの。おやすみ」
バタン。
ちょっとかわいそうな気もするけど、
ルールはルールだもんね。
諦めてもらわないと。
*
そして、12月30日。
夜バイトから戻ると、玄関には
明日温泉に向けて出発する両親の荷物が
置いてあった。
そう、そうなのです!
結局、温泉には両親だけが行くことになり、
王子も私と同じように留守番が決定いたしました。
泊まる旅館でお風呂付の部屋がなかったのと、
他の旅館はもう予約がとれなかったという理由で
王子はキャンセルという結果に。
王子は悔しそうだったけど、
私としてはラッキーかな。
だって、王子と二人きりで年を越し、
夜を明かすんだもの!!
なんか、二人暮らしみたいで楽しそう!
「あ、ルイ」
「リリー、お帰り」
ルイはちょうど、トイレから出てきたことろだった。
「温泉のこと、落ち込んでない?残念だけど…」
「全然落ちてないよ」