君が生きたこの世界で
それから愛唯羽はフラフラとファミレスを出て、宛もなく歩いていた。
『あ、』
静まり返った住宅街。
気がつけば愛唯羽は陽太の家の前にいた。
玄関のすぐ上にある窓。
そこが陽太の部屋。
1週間前、陽太と些細なことがきっかけで喧嘩してしまってから陽太の家には来ていなかった。
けれど、付き合ってから今まで何度か陽太の家には遊びに来ていたので陽太のお母さんだけでなく、陽太の家族全員と顔を合わせていた。
1歩、また1歩とインターホンのに近づく。
ピーンポーン…
震える手でインターホンを押した。
愛唯羽はまだ、信じていなかった。
陽太が死んだということ。
今も玄関を開けたら愛唯羽の大好きな笑顔の陽太がいるのではないかと。
「はい…」
そんな愛唯羽の期待も虚しく、出てきたのは陽太の母である桜庭百合‐サクラバ ユリ‐だった。
少し痩せた彼女のを見て、陽太がいない事が現実だと物語っていた。
「愛唯羽ちゃん…」
一瞬、驚きを見せた百合だがすぐににっこりと微笑み愛唯羽を招き入れた。
「ごめんなさいね、わざわざ。
陽太に会いに来てくれたんでしょう?
ありがとうね。
きっと喜ぶわ」
少し沈んだ声色の百合に続き、リビングに入る。
リビングは線香の匂いでいっぱいだった。
『…っ』
その線香の匂いの元をたどると布団に寝かされた陽太がいた。
その顔には真っ白なぬのがかけられている。
「陽太、愛唯羽ちゃん来てくれたよ」
『あ、』
静まり返った住宅街。
気がつけば愛唯羽は陽太の家の前にいた。
玄関のすぐ上にある窓。
そこが陽太の部屋。
1週間前、陽太と些細なことがきっかけで喧嘩してしまってから陽太の家には来ていなかった。
けれど、付き合ってから今まで何度か陽太の家には遊びに来ていたので陽太のお母さんだけでなく、陽太の家族全員と顔を合わせていた。
1歩、また1歩とインターホンのに近づく。
ピーンポーン…
震える手でインターホンを押した。
愛唯羽はまだ、信じていなかった。
陽太が死んだということ。
今も玄関を開けたら愛唯羽の大好きな笑顔の陽太がいるのではないかと。
「はい…」
そんな愛唯羽の期待も虚しく、出てきたのは陽太の母である桜庭百合‐サクラバ ユリ‐だった。
少し痩せた彼女のを見て、陽太がいない事が現実だと物語っていた。
「愛唯羽ちゃん…」
一瞬、驚きを見せた百合だがすぐににっこりと微笑み愛唯羽を招き入れた。
「ごめんなさいね、わざわざ。
陽太に会いに来てくれたんでしょう?
ありがとうね。
きっと喜ぶわ」
少し沈んだ声色の百合に続き、リビングに入る。
リビングは線香の匂いでいっぱいだった。
『…っ』
その線香の匂いの元をたどると布団に寝かされた陽太がいた。
その顔には真っ白なぬのがかけられている。
「陽太、愛唯羽ちゃん来てくれたよ」