君の隣で
「こんな夜遅くに一人で歩かせるわけにはいかない。
しかも、女の子ひとりで。」
「いや、でも…。」
申し訳ない気持ちでいっぱいになり、市本さんの提案を断ろうとする。
「心配しなくても、持ち帰ったりはしない。」
市本さんはいたずらっぽく笑って言った。
「そんなの当たり前です!」
思わず声が大きくなってしまった。
言ってしまってから、自分の声に驚いて、小さく謝る。
すると、市本さんは私の腕を掴んだ。