君の隣で
私はほとんど毎日弁当を作って会社に持っていく。
「そっか、すごいな。」
「そんなことないですよ。」
私は否定する。
「そんなことあるよ。
俺、料理とか全然ダメだから。」
「ふふっ。」
仕事は完璧なのに、料理が苦手、というのはちょっとアンバランスな気がする。
「何が可笑しい?」
「そういえば、市本さん、主任の家の冷蔵庫何も入ってなかったなと思って。」
冷蔵庫の中だけじゃなく、ろくな調理器具も無かった気がする。