君の隣で
今まで私が担当していた企業から外れたのは、そのときお付き合いしていた取引先の担当と別れることになったからだった。
向こうからの要請だった。
仕事に私情を挟むのか、と幻滅したのは言うまでもないけど、私にも原因はある。
“仕事”は“仕事”、“恋愛”は“恋愛”。
そのおかげで仕事漬けの私は男の人と出会う機会も格段に減ったけど、同じ過ちは繰り返してはいけない。
「ふーん。
じゃあ、浩輔が遥ちゃんのことを好きって言ったら?」
“仕事頑張る女の子は好きだよ。”
いつかの言葉がよみがえる。
「それはないと思いますよ。」