君の隣で
「どうするの?」
どうしよう。
「帰ってから電話かけてみます。」
散々迷っていたけれど、よく考えたら明日のお出かけは仕事なんだ。
ただ、恋人向けの展示場に行くだけで、私は今までなんでこんなに迷っていたのだろうと、自分が馬鹿らしくなってくる。
「そうだね。
二人が出向いてくれないと今後の企画にも影響してくるから。」
真面目にそう言っているんだか、からかっているんだか。
「今電話してみたら?」
「え、今ですか?」
唐突な矢島さんの提案に驚く。