君の隣で
8
「相澤?」
展示場に着いて辺りを見渡していると、市本さんか私の名前を呼んだ。
「…一瞬誰だか分からなかった。」
実は思いきってワンピースを着たりしている。
「私も分かりませんでした。」
市本さんは白ののリネンシャツとネイビーのコットンパンツというコーディネートだ。
スーツのときとは違って、普段より幾分か若く見える。
「…似合ってます、私服。」
「知ってる。」
どんなに私服が格好よくても、中身は相変わらず市本さんだった。