君の隣で
「まあ、なんだかんだあいつには助けられてきたからな。」
そう言う市本さんの表情は優しい。
「矢島さん、きっと市本さんのこの言葉を聞いて喜ぶと思いますよ?」
「調子に乗るだけだ。
…矢島には絶対言うなよ?」
「あはは。」
「何が面白いんだよ。」
「市本さん、可愛いなと思って。」
すると、市本さんは意外そうな顔をする。
「俺、生まれて初めて可愛いって言われた。
あんまり嬉しいものではないな。」