偽りの姫
私がまだ中学生の時の話

その頃の私には既に親がいなかった
交通事故で死んだんだ

あ、仕組まれたとかじゃないよ

でも親が大好きだったわたしは、とても辛かった

何日間、何ヶ月
いくら泣いたかわからなかった
日にちすらもわからなかった

親がいない私には生きる必要もなかったんだ

でも親は私を庇うようにして死んだ

だから、親がくれた命だからせめて
生きていこう

そう思ったんだ

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