再会は、健康診断で。
「だから西川に会えて、うれしかったんだ」
その言葉に、表情にドキッとした瞬間、一際大きい雷鳴が響いて思わず平根にしがみつく。
少し笑った平根が、ぎゅうっと私のことを抱きしめてくれる。
「かわいい、西川。ねえ、名前で呼んでもいい?」
鳴り響く雷が怖いのと、平根に抱きしめられてドキドキしているのとで訳が分からなくなってきてる私は、その言葉にうなずく。
「かえ。……かえ、かえ」
何回もうれしそうに名前を呼ばれて、なんだかすごく恥ずかしくなってくる。
「かえも、俺のこと名前で呼ぶ?」
む、無理。そんなの絶対、無理。名前でなんて呼べるわけがない。
「ひ、平根でいい」
ぷるぷると首を横に振った私に、平根はクスッと小さく笑った。
「まあ、今はいいか。許してもらえただけで、十分。好きだよ、かえ。今の俺を見て、好きになってもらえたらうれしい」
鳴り響く雷鳴。平根の心臓の音と呼応するように速くなる自分の心臓の音。
「かえ、好きだ」
耳元で囁かれる平根のストレートな想いを伝える言葉。
ドキドキしているこの気持ちが、恋な訳がない。あの平根に恋なんてするわけがないのに。
「好き、かえ。大好き」
平根の言葉に胸の奥がぎゅうっとなって、身体が熱くてたまらない。
初めて感じるこの気持ちは、いったいなんなんだろうか。
この気持ちを、なんと呼ぶのだろうか。