再会は、健康診断で。
現場は鉄を溶かしている熱で暑いし、研磨は0.1ミリ単位の作業だからすごく神経を使う。それにずっと同じ姿勢でいるから、結構疲れる。
高倉さんクラスになると一個も規格外を出さないけど、俺はまだまだその領域には達してない。
規格外出したら一応上司の結城さんに報告をしなければならない。仕事のことになるとさらに鬼になる結城さんにこと細かくなぜ、規格外になってしまったのかをネチネチと問いただされるのは、なかなか地獄だ。
原因を究明しないと成長がないってのはわかるんだけど、上司としての結城さんは本気でおっかない。あの人が管理職になってから、生産率が上がってたあるのはそのせいもあるのだろう。
人に嫌われることも、敵を作ることも気にしていないところは、ある意味管理職向きなんだろう。ムチばかりじゃなく、もう少しアメの使い方も覚えてほしいところだ。
結城さん、俺には特別ひどいからな。そんな特別扱い、うれしくもなんともないわ。どやされないようにがんばろう。
「よし、やるか」
気合いをいれてから俺は保護メガネと保護マスクをつけて、振動工具のひとつである部品を研磨する機械のグラインダーを手に持った。