再会は、健康診断で。

恋のパワーなのか、ひとつも規格外を出さず高倉さんに誉められていい気分で仕事を終えた俺は、西川と待ち合わせている公園に向かった。


車を駐車場に止めて公園の中を歩き出す。なんか、急に緊張してきた。


ドキドキしながら公園の中を歩いて行くと、ベンチに座っている西川の姿が見えて思わず足を止める。


遠くを見ている西川が俺を待っているってだけで、なんだかたまらなくてどうしようもなくドキドキしてくる。


仕事中はまとめていた髪を今は下ろしていて、それが風でサラサラと揺れている。


アップにしてたのもかわいかったけど、下ろしてるとまた雰囲気が違ってこれもまたかわいい。


ドキドキしてやばいけど、いつまでも西川を待たせておくわけにはいかない。


「ごめん、西川。待たせた?」


会ってくれたとはいえ、まだ怒っているだろうと不安になりながら声をかけると、俺を見上げた西川が首を横に振る。


「ううん、待ってない。私こそ……急に呼び出してごめん」


西川の雰囲気が前とは違って柔らかい。なんとなくそれにホッとした俺は、西川に微笑んだ。


< 109 / 240 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop