再会は、健康診断で。
「ちょっと夢だったんだよね。甲子園に出て、スタンドで西川が応援してくれてるっていうシチュエーション。そしたら優勝してたかもな。とりあえずシャワー浴びて温まってきて。服は洗濯機入れて。乾燥させちゃうから」
そう、夢だった。甲子園で俺が活躍して、西川がスタンドで俺を応援してくれている。西川と同じ高校に進めると思っていた頃に、抱いていたそんな夢。叶うことのなかった、その夢。
俺がいじめてたのが悪いんだし、自業自得なんだから仕方ないんだけどさ。
西川に服とバスタオルを渡して、バスルームに入って行くのを見送ってからソファに座ってはあっと息を吐く。
少ししてから聞こえてきたシャワーの音に、ひとりドキドキして頭を抱える。西川が俺の家でシャワー浴びてるとか、なんかもうどうにかなっちゃいそうなんだけど。
ひとり悶々としていると、いつの間にかシャワーの音は止まっていて風呂上がりの西川が顔を出す。
「お待たせしました。平根、洗濯機の使い方分かんない」
西川にそう言われて、俺は平静を装ってソファから立ち上がる。