再会は、健康診断で。

「ああ、待って。洗って乾燥かけるから」


ソファから立ち上がって石鹸の香りのする西川の横を通り、洗濯機をスタートさせてからじっと西川のことを見つめる。


濡れ髪に上気したピンク色の頬で、ぶかぶかの俺の服を着ている西川はなんだかめちゃくちゃ色っぽい。


「……なんか、西川が家にいて俺の服着てるとか夢みたい。なんか興奮するかも、かわいいし」


口にしないと爆発して、またなにかしでかしそうだったから素直に思ったことを口にする。俺の言葉に危機感を抱いたらしい西川が、俺から少し距離をとった。


それを見て俺はちょっとだけ冷静になれて、笑みをこぼれる。


「がんばって我慢するって。髪、乾かしなよ。せっかく温まったんだからさ」


じゃないと俺が危ない。髪乾かせば平気なのかよって話なんだけどさ、濡れ髪ってなんかエロイ気がするのは俺だけなのか?


「いいよ、ドライヤーだけ借りてあっちで乾かすから。平根も早くお風呂入って」


俺がそんな邪な気持ちを持っているとは知らない、優しい西川はそう言ってくれる。本当に優しくていい子だな。惚れ直すわ。

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