再会は、健康診断で。
「……西川って本当に優しい。じゃあそうさせてもらうわ。ありがとう」
邪な気持ちを隠すようにニコッと笑うと、西川も微笑みかけてくれる。
うわ、今それやばい。西川の笑顔の破壊力すごいんだけど。
「ダメだ、やっぱり笑顔に耐性がなさすぎる」
壁に手をついた俺を残して、西川はリビングのほうに行ったみたいだ。
よかった、あそこで近づかれていたらまたキスしていたかも。今だけは、ひとりになれたことに少し安心する。
俺も濡れていた服を脱ぎ捨てて浴室に入る。自分で思っていた以上に冷えてたみたいで、シャワーのお湯を浴びるといつもより熱く感じる。
ガシガシと頭を洗いながら西川もさっきまでここでシャワー浴びてたんだよな……なんて考える。
さっきまで裸の西川がここにいた事を想像して、全身がかあっと熱くなってくる。
やっばい、落ち着け俺。浮かんでしまった妄想を打ち消すために水を勢いよく浴びる。
「……つめてっ」
うん、落ち着いてきた。まあ、こうなるのも仕方ないよな。ずっと西川一筋でそういう経験ないし。
彼女作ったことはあるけど、キスさえする気になれなくて短期間でダメになっていた。