再会は、健康診断で。

なんとなく掴んだ西川の腕を離せないでいると、西川が俺を見て視線が絡んだ。


綺麗なアーモンド形の潤んだ瞳に俺が映っているのを見て、なんとも言えない気持ちになる。


ずっとこの瞳に、俺だけを見てほしいと願ってきた。


すごいと言われるのも、好きだと言われるのも、西川じゃなきゃ意味がなかったんだ。


西川から視線が外せないでいる俺を、近づいてきていた雷の音が正気に戻す。相変わらず雷が苦手らしい西川は、その音に身をすくめている。


それがかわいすぎて、庇護欲をそそられた俺は西川のことを引き寄せて抱きしめて、安心させるように背中をなでる。


「俺がいるから、大丈夫だよ」


昔と同じことをかっこつけて言ってみたけど、やばい。前も思ったけど西川、柔らかいしいい匂いがする。


女の子って、みんなこんなに柔らかいのかな。俺と同じシャンプーとボディーソープを使ったはずなのに、香りが全然違う気がする。


自分でもわかるくらい心臓がバクバクいっていて、きっとこれは俺の腕の中にいる西川にも聞こえていると思う。


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